白雪姫は死を望んだ。
「王子様」は、彼女の命を飲み干した。
「孤独な魂」は救われた。
しかし、「王子様」は裁かれた。
白雪姫の「いのち」は彼女だけのものではなかった。
「王子様」は他の人間から見れば、
「ヴァンパイア」でしかなかったのだ。
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sacrifice - 犠牲 -
2012.09.28
ここのところ〈ヴィラ・ディオダティ〉の過去ログを発掘してたんだけど、
サイモンのこんなポストが見つかったんでコピペ。
(ちなみに、この〈ブラッドベリ〉っていうのがサイモンのハンドルネーム)
送信者:ブラッドベリ
sacrifice - 犠牲 -
ヴァンパイアは
彼女たちに 穴をあける
ちいさな ちいさな穴だ
そのちいさな穴から
命 が 逃げだす
逃げだす 逃げだす
そして
自由になった
彼女たちの
空っぽのからだは
空っぽの眠りにつく
冷凍庫の柩の中で
凍てついた夢をみる
死の眠りについた白雪姫を
目覚めさせるのは
果たして 王子か
悪魔か
このブログに載せてるサイモンのポストは、僕が勝手に日本語に翻訳しているんだけど、
冒頭の〈sacrifice〉を「犠牲」と訳すべきか「生け贄」と訳すべきか、しばらく悩んでしまった。
結局「犠牲」を選んだけど、その「犠牲」って漢字の〈犠〉にも〈牲〉にも「生け贄」という意味があるとか知って、
なにか彼女たちの抗えない運命みたいなものを感じてしまったり。
そういえば、白雪姫は雪に落ちた血から生まれたって話もあるらしい。
白雪姫がほんとに待ち望んでいたのは、ヴァンパイアだったのかもしれないね。