サイモンを「ヴァンパイア」に変えた「ルカ」。
子供の頃の体験は、大人になって突然、
とんでもないカタチになって現れる。
良い意味でも、悪い意味でも、
歴史に名が残る人は、
この類が多いんじゃないかと勝手に思ってます。
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サイモンに関するいくつかの証言
2012.08.30
テレビのニュースで、小さい頃のサイモンのことを知っている人にインタビューしてた映像があるんだけど、
ここに動画をのっけることはできないんで、文字起こししたものをのっけていきます。
まずは、サイモンが小学生の頃、よく遊びに来ていたという共同墓地の管理人さんのインタビュー。
共同墓地の管理人の男性Tさん:
「サイモンは、まぁよく来てましたよ。
家族の墓じゃなくて、"友達のだ"って言ってたな。
交通事故かなんかで、まだ9歳かそこらの女の子だったかな。
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そこらで花を摘んで来ちゃあ几帳面に並べてさ。
夏は草むしりしたりして。
ここの墓地は墓参りに来る人もめったにないんでね、
あの子のいる一角だけやけに目立ってたよ。
お墓の子の家族も宗教上の理由でここへ来ることはないからさ、
あの子が来なくなってからはすっかり荒れちまったけど。
*
こっちから挨拶したら挨拶返してくれてたし、
素直そうな、いい子だったけどね。
*
友達は・・・・まあ少なかったんじゃないかな。
毎日のようにここへ来てたしね。
裏手に古い橋があるでしょ? あそこでよくいじめられてたよ。
丸裸にされて川に落とされたりしてさ、ひどいもんだったよ。
*
あの子が手向けてた花から種が落ちたのか、
毎年野バラが芽を出すんだよね。
小さいけど血みたいに真っ赤なバラでさ。
あの子があんなことになっちまったから、
なんだか気味悪くって、引っこ抜いちまおうかって思ったんだけどさ、
バラにはヴァンパイアを封じ込める力があるんだってね。
それ知ってから、毎年、野バラがちゃんと芽ェ出してくれるか不安でさ。
もし芽を出さなかったら、彼女もヴァンパイアになって墓から飛び出してくるんじゃないかってね」